ABOUT

BRAND CONCEPT
刻々とかたちを変える雲、寄せては返す波、咲いては散る花、飛び立つ鳥、そして人のこころ。
とどまることのないこの世界で私たちは出会い、命を重ね合わせながら生きています。
「あわい」とは、人と人、物ともの、時のあいだにある「間・ま」が、
調和したりせめぎあったりしながら動きつづけるさまを表す言葉です。
AWAIは、日本のエスプリを象徴するこの美しい言葉をブランド名に選び、
古典とモダン、伝統と革新、京都と鎌倉、
つくり手とつかい手の「あわい」から生まれるアート作品とインテリアをプロデュースします
BRAND PHILOSOPHY
人間の体の60%を構成する水は、わたしたちの生命そのもの。
青い地球の表面の70%は水で覆われ、空高く立ち昇った水が雲となって流れていきます。
とどまることのない雲、絶えることなくさらさらと流れる水を表す「行雲流水」という言葉があります。
世界をありのままに感じようとすることは、仏道が説く無心の境地にも通じることから、「行雲流水」は禅語としても親しまれてきました。また、古来から受け継がれてきた日本の文様には、雲や霞、雨、雪、氷、波など水を意匠化したものもたくさんあります。
AWAIは「命の水」をキーコンセプトに、これらの日本の文様を用いた作品をデザイン・プロデュース。
一つひとつの作品を通じて、流れる水の清らかさ、うつろう雲のとらわれのなさを現代の生活に伝えていきます。


BRAND STORY
主人と客人がともにテーブルを囲んで食事と会話を楽しむフランスの「Table d'hôte」をやってみようーーAWAIの原点は、プロデューサー・大瀧麻美(以下、MAMI)が企画した親しい人たちとの集いにあります。フード・コーディネーターとして活躍してきたMAMIは、アトリエに長さ3メートルもあるテーブルを置いて、自ら選んだ器を並べ、自ら料理した食事で「Table d'hôte」を開こうと考えたのです。ところが、このテーブルと集まりに似合うテーブルランナーだけがなかなか見つかりませんでした。
「おいしい食事と楽しい会話が弾むテーブルウェアをいつかつくりたい」と思っていたMAMIは「伝統織物 青琳社」鈴木丈夫氏との偶然の出会いによって西陣織の世界の扉を開きます。茶道をたしなみ、能を鑑賞してきたMAMIは、日本の染織文化のなかでもとりわけ西陣織に深い関心を寄せていました。のめりこむように西陣織に惹かれて、テーブルウェアのプロデュースを思い立ったのでした。同じ頃、鎌倉彫会館 CAFE倶利のリニューアルを手がけていたMAMIは、鎌倉彫の世界にも強く惹かれるようになりました。鎌倉彫の歴史を学び、職人たちと出会うなかで「現代の空間に合う鎌倉彫をプロデュースしたい」という思いを抱きます。
2019年1月にはAWAIブランドとしてフランスで初の展示会出展とパリでのギャラリー展「鎌倉彫(鎌倉)と西陣織(京都)ふたつの古都」を開催し、いずれも大きな反響をいただきました。
AWAIは鎌倉彫と西陣織からはじまりましたが、今後は日本と世界の伝統工芸とのコラボレーションも視野にいれています。「あわい」には「媒介する」という意味もあるそうです。長い歴史のなかで人間が培ってきた文化を未来へとつないでいく、その「あわい」としての役割を担うことを願ってやみません。
SAVOIR-FAIRE

<鎌倉彫>木内伊作
鎌倉彫職人 翆山堂三代目。木地の成形にろくろを使わず、叩きのみで掘り出していく「手刳り」という手法を用いるため、手になじむぬくもりが感じられる。アート作品では、凪いだ海や深い淵のように、エネルギーを湛えた水の動きを主に表現。空間に“流れ”を生み出す力がある。

<西陣織>伝統織物青琳社 鈴木丈夫
古来より伝わる日本の染織文様と、先人の伝統技術を受け継ぎながら、現代の美意識と調和する意匠を創作。西陣織という織物文化を、常に”新しい”ものとして次代に伝えている。工房には西陣きっての色数を誇る糸を有し、高い技術と豊かな経験をもつ職人たちとともに、西陣織でしか表現できない絹の”光”をやどした織物をプロデュースする。
PRODUCER

大瀧麻美
株式会社Delices de Mami
代表
鎌倉在住、AWAIプロデューサー。アパレル企業のプレス、食品メーカーでの店舗およびメニュー開発を経て料理人、フードコーディネーターとして独立。鎌倉彫会館の「鎌倉彫カフェguri」をはじめ、場のコンセプトを活かした空間・メニューのプロデュースを多数手がける。現在はテキスタイルデザイナー、空間コーディネイターとして時を重ねるなかで培った一貫した色彩的美意識を軸に創作活動をしている。AWAIでは、日本のうつくしい職人の手仕事と世界の人々との交流によってうまれる“光の音”を聴きながら、伝統を未来へとつなぐことに取り組む。
CREATOR
映像制作:山根晋
文:杉本恭子
写真:奥田正治