ゆるやかに曲線を描いて踵を返すような刀彫りの跡が、セルリアンブルーの漆地の上を金色に輝きながら通り過ぎていく。軌跡だけを残して去っていった、もうそこにはいない何者かの気配がまるい器の上に漂っているかのようです。この作品は、形だけをつくって置いてあった木地を、時間を置いてから刀彫りを入れて完成させたもの。作家が過ごした心の時間が映し出されているようにも思われます。
サイズ:23cmφ
箱:ご要望に応じて制作可能